髑髏検校と神変稲妻車を読み終わった
髑髏検校読み終えました。ジャパニーズ吸血鬼なお話でしたな。
主人公の恋人や主人公の仲間の恋人は最後どうなったんだろうか。
あ、でもここに触れちゃうとネタバレになるのでやめておきます。
ホラー特有の、「ラストは一気に終わる」スタイルなので、「え!? ここで終わり!?」って言いたくなりました。僕なんかは教養がなくて、単純なハッピーエンドが好きな方なので、そう思っちゃいました。
でも、最後はこれこれこうなって、みたいにダラダラ説明されるよりも、さぱぁっと終わらせた方が、余韻があって、恐怖なり感動なりが持続するのでしょう。多分。
でもね、僕このお話について、読む前にちょこっと「髑髏検校」でググってみたわけですよ。ぐぐると、検索結果の各サイトの下の方に、2,3行、サイト内の文章が見えるようになってるじゃないですか。その2,3行が目に入ってしまって、
壮大にネタバレくらいまして。
「江戸を恐怖に陥れる髑髏検校は〇〇だった!」ってなんか威勢のいいキャッチコピーみたいな感じで書いてあったんですけど、くっそネタバレやんけと。
ま、お話の中でも、そこまで隠してる風でもなかったんで、別にいいんですけどね。最初の方の段階ですでに髑髏検校の本名が、下の名前だけ明らかになってるんで、勘のいい人ならすぐに気づくと思います。
この手のお話には必ず出てくる有名なあの人です。気になる方は読むかググるかしてください。
同書にもう一つ収録されてたのが、「神変稲妻車」というお話。
いかにも勧善懲悪ものっぽいタイトルですよね。実際勧善懲悪ものでした。
横溝正史ってこうゆうお話も書くんですね。意外です。八つ墓村とか犬神家の一族のイメージしかないもんで。
前の記事、魔剣士の時も書いたんですけど、僕はこうゆう痛快伝奇ものは好きですので、普通に楽しめました。登場人物も漫画的でかっこいい。
あとがきにも書いてある通り、ストーリーのテンポが速くて、すいすい読み進むことができました。
とあるお宝みたいなもの(カッコよく言うとマクガフィン?ってゆうの?)をめぐる争奪戦みたいなお話です。
意外な場所で意外なキャラが出会って、ひと悶着あって、とりあえず今は別れて、そのあと意外な場所で再会して、最後は今まで出てきたキャラが、皆ひとつになって悪に立ち向かう、って感じです。王道の勧善懲悪ですね。
ただ、読み進めてるうちに、あれ、お宝今どこ行ったっけ?あいつが持って、こいつと戦って、あいつに盗まれて・・・・ってなって、途中からこんがらがってきました。あと、登場人物があっち行ったりこっち行ったりと、結構せわしないです。
でも、山田風太郎の忍法帳もそうだけど、これだけスピーディかつ複雑な展開で、しかも登場人物全員の見せ場みたいなのを用意して、なおかつお宝が今誰が持ってどこにあるのかの移り変わりをきちんとできるシナリオ整理能力ってやっぱすごいですね。
うん。まさに痛快伝奇でした。僕好みの少年漫画的なストーリーで面白かったです。
ただ、僕だったら、「神変稲妻車」の世界に、
髑髏検校を登場させて伝奇バイオレンスにするね。